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【昭和のことば】きっかけは大ベストセラー 本来は「根っこ」という意味だった「ルーツ」(昭和52年)

 本来は「根っこ」という言葉を、「先祖、由来、生い立ち、よりどころ」など幅広い意味で使い始めたのは、この頃が最初である。

 昭和52(1977)年、アレックス・ヘイリーの著書『ルーツ』が大ベストセラーとなり、テレビドラマ化された映像がこの年の10月、テレビ朝日系列で8日間連続、全12時間にわたって放映された。西アフリカ・ガンビアの地に7世紀前の祖先を探し当て、奴隷制度を通じて、現代に至るまでの黒人の生き方を描いた壮大なストーリーである。

 この年の主な事件は、「東京・品川で、青酸コーラ無差別殺人事件発生」「ロッキード事件、丸紅ルート、全日空ルート初公判」「たばこ『マイルドセブン』発売」「初の静止気象衛星『ひまわり1号』が打ち上げ」「王貞治通算756号本塁打達成、国民栄誉賞受賞」「フォーク歌手・井上陽水大麻取締法違反容疑で逮捕」「アメリカ海兵隊ジェット偵察機、横浜市緑区の民家に墜落」「パリ発東京行き日航機が日本赤軍にハイジャックされ、ダッカ空港に強行着陸」「社会市民連合結成(代表・江田五月ら)」「アメリカ軍立川基地全面返還」など。

 山下泰裕が、19歳の最年少で柔道日本一。樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権初優勝。映画の世界では、『幸福の黄色いハンカチ』『八甲田山』、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』などがはやった。

 『ルーツ』の流行を機に、過去にさかのぼり自分の源流を確認するという「ルーツ探し」がはやった。アメリカと同時進行だが、これも高度経済成長が進み、人々の生活に余裕が生まれてきた証しのひとつだったのかもしれない。(中丸謙一朗)

 〈昭和52(1977)年の流行歌〉 「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)「北国の春」(千昌夫)「勝手にしやがれ」(沢田研二)

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