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「死者続出マンション」が生んだ北朝鮮国民の抗議活動 (1/3ページ)

 品質や安全よりも工期に間に合わせることが優先される北朝鮮の建設現場では、手抜き工事が横行し、死亡事故が日常茶飯事と化している。

 (参考記事:【再現ルポ】北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

 そんな現実が、遂に庶民たちによる強力な抗議活動につながった。

 舞台となっているのは、中国との国境に接する両江道(リャンガンド)で、商業と貿易の中心地となっている恵山(ヘサン)だ。現地で進められている都市再開発事業を巡り、住民と行政、建設会社の間でトラブルが発生。住民が集団で抗議する事態に発展している。

 恵山市の恵長洞(ヘジャンドン)は、恵山駅と中国との国境を流れる鴨緑江に挟まれ、市場も近いリッチなエリアだが、2016年に大雨による洪水で浸水する被害を受けたこともあり、住宅の老朽化が進んでいる。

 建築会社は市人民委員会(市役所)の許可を得て、地元紙・両江日報社の向かいの平屋建ての住宅を取り壊し、9階建てのマンションを建設することにした。元々住んでいた40世帯の人々には、旧住宅の資材と労働力、金銭を提供してもらう見返りに、新築マンションの部屋を与えることを約束した。

 ところが、建物が完成し、入居開始を控えた先月中旬になって、急に話が変わった。住民は、人民委員会の住宅課から次のような通告を受けた。

 「両江日報社の隣のマンションの裏に新築されるマンションに入居することになっていたが、入居は取り消され、別のマンションをあてがう」

デイリーNKジャパン

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