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【富坂聰 真・人民日報】“代替”効かぬ存在になった中国 米中経済対立は日本にも痛手 (1/2ページ)

 先週号では、米中がこれほど激しく対立するなかで日本が中国との関係強化に乗り出した理由について、(1)米中経済戦争のアメリカの勝利が必ずしも日本の勝利ではない(2)日本が中国と距離を置くタイミングは、もうとっくに過ぎてしまった-ことを理由として指摘した。

 そもそも中国経済への包囲網とも考えられたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に強く期待し、また「一帯一路」に対しても前のめりになる欧州を尻目に慎重な姿勢という以上の警戒心をあらわにしてきたのだから、当然の疑問だろう。

 では、なぜ日本はここにきて急激に対中接近に舵を切ったのだろうか。

 今週はこれについて具体的に説明していこう。

 まず、(1)の理由として挙げた、アメリカの勝利が必ずしも日本の勝利ではない点についてだ。

 中国のこれまでの経済発展は長らく「世界の工場」と形容されてきた。それは中国の製造業の発展を意味しているが、その多くは外国が中国に出した工場である。

 そこから技術移転や中国が技術を盗み取るなどの方法で内製化していって現在に至っている。その過程で日本が失ったものもあるが、一方で高付加価値の一部部品はどうしても日本に頼り続けなければならない中国の体質も明らかになった。

 つまり中国からアメリカへの輸出品のなかにもたくさんの日本の部品が入っているのである。これらの産業は中国の対米輸出が傷つけば同じようにダメージを被ることが避けられない。

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