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【米中熱戦と日本の針路】「対中宣戦布告」ペンス氏演説の重要性 (2/2ページ)

 「中国では、キリスト教、イスラム教、仏教など、あらゆる宗教が共産党の強権支配下で弾圧を受けている。9月には、最大の地下キリスト教会が強権的に閉鎖となった。共産党政権は国中で十字架を破壊し、聖書を焚書し、キリスト教徒を投獄している」

 「中国共産党は、いくつもの新興国に向けて、債務の罠(わな)を仕掛けて、植民地主義的な略奪政策を実行している」

 米国の政権は、共和党と民主党を問わず、中国の経済発展が必ずや国内の自由化や民主化をもたらすものと期待し、その希望的観測のもとに政策判断を行ってきた。

 ペンス演説は、それが完全に過ちだったことを認めたのだ。中国は経済が発展すればするほど、外国への侵略的行為をエスカレートさせ、国内の自由や人権を弾圧した。米国の期待は完全に裏切られたのである。

 これは、日本としても例外ではない。

 日本はむしろ、米国に先行して中国の経済発展に協力してきた。日本は公的部門・私的部門合わせて7兆円以上の資金を中国経済に投資してきた。日本人も今や、米国にならって過去の対中政策の誤りを総括し、中国共産党と全面対決を覚悟しなければならない。

 しかし、安倍晋三首相の10月下旬の訪中と、それに同行した500人の財界人は、本来、日本の取るべき対中強硬政策に相反するように著者の目には映る。その内実は次回詳述する。

 ■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオなどで活躍する。著書に『国境ある経済の復活』(徳間書店)、『太平洋戦争の大嘘』(ダイレクト出版)など多数。

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