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【高橋洋一 日本の解き方】消えた財務省の「マクロモデル」 消費増税のシミュレーションでは景気が悪化する当然の結果 (1/2ページ)

 インターネット上にはとんでもないウソが出ているものだ。その一つに「竹中平蔵氏が、財務省に従来のマクロ経済モデルを捨てさせ、有効需要を無視した竹中モデルを導入させた」というものがあった。竹中氏が経済財政担当相の時、内閣府に同様にやったという話もある。いずれもウソである。

 「マクロ経済モデル」と一言でいうが、通常は200本程度の数式の塊である。各種の経済理論を実際にデータに当てはめた推計式などで構成されている。このモデルを実際に構築したり、メンテナンスすることは、一般の文系官僚はできない至難の業である。

 内閣府にはマクロ経済モデルがある。複数人の専担者がいて、一定期間ごとに改訂作業をしている。その数式群は公表されているが、竹中氏の大臣在任中をみても、大きな式の入れ替えはない。そもそも、竹中氏に限らず、一般の人がマクロ経済モデルを改良することは不可能である。

 財務省にはかつてマクロ経済モデルがあったが、今ではないようだ。筆者が現役でいたころには、2つのマクロ経済モデルがあった。1つは、経済企画庁(当時)に出向し、そこでマクロ経済モデルを作った吉田和男氏が当時の大蔵省でも作ったものだ。吉田氏は、大蔵省を早くに辞めて、京大教授になったが、経済学博士と工学博士のダブル博士であり、数式にはめっぽう強かった。そしてもう1つは筆者が作成したものだ。

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