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【金正恩への直言 拉致40年】母奪還へ「今が解決すべきタイミング」 “家族の思い”発信し続ける…田口八重子さんの長男・飯塚耕一郎さん (1/2ページ)

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 拉致事件は、被害者本人に加え、家族も苦しめ続けている。その対象は、親や兄妹ばかりではない。子供までもが北朝鮮との対峙(たいじ)を強いられている。

 母の田口八重子さん(63)=拉致当時(22)=が北朝鮮に連れ去られた1978年、当時1歳だった長男の飯塚耕一郎さんは現在、41歳となった。

 田口さんの兄、飯塚繁雄さん(80)の養子となり、21歳まで実母の存在を知らないまま育った。田口さんを「八重子さん」と呼ぶのは、母としての記憶がないからだ。

 大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員は、田口さんから日本語教育などを受けた。耕一郎さんは、金さんに会って母の話を聞いたこともある。それでも、実感はなかなか得られない。

 「『お母さん』と言いたいけれど、心の底からそういう気持ちで言える日がいつ来るのか。会わないと、何も始まらないですね」

 2004年2月、田口さんの息子であることを公表し、拉致被害者の救出活動に加わった。それから14年が過ぎたが、今どこで、どうしているのかすら分からない。「向こう(北朝鮮)にいる方々の情報がないから、健康でいるのか、どうなっているというところが分からない」と話す。

 安倍晋三首相と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による日朝首脳会談の可能性が模索されるなか、家族として強調していることがある。「全拉致被害者の即時一括帰国」だけを求めているということだ。

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