記事詳細

【長谷川幸洋「ニュースの核心」】「マティス氏交代」騒動の“深層” より強腰の「対中強硬派」になれば… (1/2ページ)

 ドナルド・トランプ米政権に、また閣僚交代の噂が出ている。「ジェームズ・マティス国防長官が辞任するかもしれない」というのだ。

 マティス氏といえば政権発足以来、国防長官を務め、北朝鮮やシリア問題などで中核的な役割を果たしてきた。このタイミングでの辞任観測は何を意味するのか。これが単なる噂と一蹴できないのは、当の大統領自身が火付け役であるからだ。

 トランプ氏は、CBSの人気番組「60ミニッツ」のインタビューで、「(彼は辞任する意向を)私には伝えていなかった」「彼は民主党員のようだ。政権を去るかもしれない。いつかはみな離れる」と語った。

 同氏の辞任観測はこれまでも出ていたが、今回は事情が異なる。米紙ワシントン・ポストの看板記者、ボブ・ウッドワード氏の新著『Fear(恐怖)』で、マティス氏が「小学5年か6年生のように振る舞う。その程度の理解力だ」とトランプ氏を酷評した、と描写された点だ。

 マティス氏は発言を否定しているが、ウォーターゲート事件報道で知られたウッドワード氏の著書となると信頼性が高い。ワシントン・ポストは9月初めに辞任観測を報じていた。

 見逃せないのは、トランプ政権の外交政策との関連である。

 マイク・ペンス副大統領は4日、ワシントンで講演し、中国と全面対決する方針を強調した。

 ペンス氏は貿易問題にとどまらず安全保障面でも、トランプ政権は中国に「断固として立ち向かう」と述べた。これは米ソ冷戦の開始を告げた、ウィンストン・チャーチル英首相の「鉄のカーテン演説」に匹敵する歴史的演説である。

 トランプ政権は、中国との「新しい冷戦に突入した」と言って間違いない。実際、中国は激しく反発し、8日にマイク・ポンペオ国務長官が訪中した際、慣例となっている習近平国家主席との会談が実現しなかった。

関連ニュース