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【高橋洋一 日本の解き方】“豊洲騒動”とはなんだったのか… 都が間違った判断で回り道、偏った報道も民意を誘導した (2/2ページ)

 もちろん、それが望ましいのはいうまでもないが、環境基準はあまりにハードルが高いので、実際にはそれを満たしていない所は都内では多い。

 実際、東京の地下の土壌汚染はかなりある。土壌汚染対策法では土壌の汚染状態が指定基準に適合しない土地について要措置区域等の指定があるが、都のウェブサイトをみても、土壌汚染状況調査の結果、都内至る所で指定されている。その中には、築地も豊洲も含まれており、そこでの環境基準は満たしていないだろう。しかし、重要なのは、適切な対策をすれば、安全基準を満たし、その地上では生活もできるということだ。

 これに対して、小池百合子都知事は、「安心」ではないという理由で、豊洲移転にストップをかけた。科学的な見地から「安全」であることが確保されたら、都民に「安心」を与えるのは都議会の政治家の役目だ。また、それはマスコミの責務でもある。

 結果として、小池都知事の判断と、偏ったマスコミ報道があり、都議会選挙では豊洲移転反対勢力が多数を取り、間違った判断が民主的に正当化された。

 豊洲騒動の教訓は、行政や議会、マスコミが間違った方向に民意を誘導することがあるということだ。あのヒトラーも民主主義から生まれたことを忘れてはいけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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