記事詳細

「みすぼらしいけど頑張った」金正恩氏の本音トークに見る残念な勘違い (1/2ページ)

 北朝鮮の金正恩党委員長は18日、今年3回目となる南北首脳会談のために平壌を訪れた韓国の文在寅大統領と、同氏の宿泊先である百花園(ペッカウォン)迎賓館で歓談した際、次のように述べたという。

 「発展した国に比べたらみすぼらしい」

 「水準は少し低いかもしれないが、最大限誠意を見せた宿泊所であり、日程だ」

 また、5月26日に板門店(パンムンジョム)の北朝鮮側施設「統一閣」で行った2回目の首脳会談に触れ、「文在寅大統領が板門店のわれわれ側にいらっしゃったのに、場所と環境があまりにアレだったので(良くなかったので)、きちんと迎えられなかったことが心に引っかかっていた。だから今日を待っていた」と言葉に力を込めたとされる。

 これは、金正恩氏の偽らざる本心だろう。「ナントカ強国」とか「人類史に残る偉業」とか、誇大妄想的な体制宣伝を繰り返す北朝鮮メディアの論調に慣れた耳には、金正恩氏の本音トークは心地よく響く。金正恩氏は、もともとざっくばらんな性格のようだ。そうでなければ、自国メディアで自分のヘンな写真を次々公開したりはしないだろう。

 (参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか

 ただ、「発展した国に比べたらみすぼらしい」というのは、言わずもがなだろう。

 北朝鮮の国家経済の水準は、文在寅氏のみならず世界の多くの人々が承知の上だ。停滞する経済の背景に独裁政権の失政があるのは明らかだが、対話を進める以上、それはそれとして受け止めたうえで、「今ある北朝鮮の魅力」を探り出そうとしている人も少なくない。特に今回、文在寅氏とともに訪朝したサムスンやSKなど韓国の財閥オーナーら経済人は、そのような目を持っているのではないか。

デイリーNKジャパン

関連ニュース