記事詳細

【勝負師たちの系譜】“地元棋士”活躍で地方紙も盛り上がる「王位戦」 (1/2ページ)

★王位戦(1)

 王位戦は唯一、夏のタイトル戦である。7月にヒューリック杯棋聖戦、9月に王座戦と重なることはあるが、真夏の7月中旬から8月にかけて行われる棋戦は他にはない。

 王位戦は1960年、新聞3社連合の主催で始まった。3社連合とは、北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社の3社で作った事務局で、後に神戸新聞社と徳島新聞社が参画し、中日新聞東京本社が発行する東京新聞を含めた全国6紙に掲載される。

 七番勝負は主催紙が持ち回りで担当するため、毎年必ず北海道、東海地区、九州、神戸、徳島など主催紙の発行地域で行われる。

 王位戦は創設から12期、大山康晴15世名人が独占した。一番脂の乗った大山五冠王時代のことで、第13期の72年に初めて若き内藤国雄八段(当時)にタイトルを明け渡したのだった。内藤は神戸出身のため、翌年に地元の神戸新聞社が王位戦に参画してきたとも言える。このように全国紙の主催と違って、地方紙には、必ず応援する棋士がいるのも、この棋戦の特長だ。

 例えば長崎県佐世保市出身の深浦康市九段が王位を奪取した時は、九州の西日本新聞社から号外が出たというし、札幌市出身の広瀬章人八段が奪取した時は、北海道新聞社が大きく扱って盛り上がった。

関連ニュース