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【高橋洋一 日本の解き方】人目につかない自民党の小部屋に呼ばれ… 経済政策を議論してわかった「安倍首相は『健全な政治家』」 (1/2ページ)

 自民党総裁選では経済政策も争点の一つだ。そこで、安倍晋三首相が金融緩和を軸としたアベノミクスにどのように出合い、学んで自らのものとしたのかという原点について、あらためて振り返ってみよう。

 ある月刊誌に、総裁選に臨む安倍首相の特別寄稿があり、その中で、アベノミクスについて、浜田宏一内閣参与、本田悦朗前参与、岩田規久男前日銀副総裁とともに、筆者から教えてもらったと書かれていた。他の方々は政府役職だが、筆者はそうしたものと無縁にもかかわらず名前を出してもらい光栄だ。

 振り返ると、筆者が小泉純一郎政権時代の竹中平蔵総務大臣補佐官の時、当時官房長官であった安倍氏とよく話をしていた。小泉政権では、「CPU(Communication and Policy Unit)」という首相側近グループの会合が週末に開かれ、安倍氏や竹中氏らが参加しており、その前後に筆者が安倍氏にレクチャーすることがあった。

 そのときは金融政策に割ける時間は少なかったが、「2000年8月のゼロ金利解除はどうだったのか」などマニアックな質問もあって驚いた。そのほかにも「金融政策について聞きたい」と、人目につかない自民党の小部屋に呼ばれ、筆者は「中央銀行の独立性には『目標の独立性』と『手段の独立性』があるが、世界の標準は『手段の独立性』だ」と説明した。安倍氏は、それは政治家に好都合だと言っていた。

 06年3月、日銀が量的緩和を解除する際にも、いろいろと説明した。政府・与党内では、筆者の周りの竹中大臣や中川秀直政調会長が解除に反対だった。その理由は、消費者物価上昇率は見かけ上プラスになったが、物価統計の上方バイアス(実態より高い数字が出やすいこと)を考慮すると、まだマイナスであるという筆者の分析だった。

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