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【朝日新聞研究】朝日新聞は中国の「覇権主義」を伝えてきたのか 日中関係の本質をごまかす朝日の議論 (1/2ページ)

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 7月26日の朝日新聞朝刊には、大型企画記事である「平成とは あの時」の第10回が掲載されている。今回は日中関係を論じたもので、32面をすべて使った長文の記事であり、平成の日中関係の歴史を、総括した内容になっている。筆者は元中国総局長、藤原秀人氏である。

 全体は3つの部分で構成され、最初が「カリスマの足跡 曲折を経ながら貫いた『友好』」、2つ目が「後継者の時代 歴史認識・領土…対立が深刻化」、3つ目が「習の強硬外交 国力様変わり 描けぬビジョン」となっている。

 各時代の主役は、最初がトウ小平氏、次が江沢民元国家主席と胡錦濤前国家主席、最後が習近平国家主席である。トウ氏によって日中の友好関係が築かれたが、江、胡両氏の時代には歴史問題・領土問題で対立が起き、習氏の強硬外交で、日中関係は混迷しているというわけである。

 従って、この記事で最も重視し、論の基調としているのはトウ氏であり、最も大きな見出しは「“礎”失い 迷走続く日中」で、トウ氏の大きな顔写真が掲げられている。つまり、日中関係の礎を築いたのはトウ氏で、その礎がいなくなったために、現在の混迷に至ったと言いたいらしい。

 しかし、これは真実であろうか。

 私は、日中関係の本質を、著しくごまかした議論であると考える。

 例えば、習氏の説明の中で、「しかし、最高指導者となった習が繰り出す外交はトウやその後継者たちとは異なる、強硬なものだった」とあるが、これはあまりにも不正確な指摘ではないか。少なくとも日本に対しては、まったくそうではない。

 すでにトウ氏の時代に歴史問題は勃発しているし、反日教育を推進したのは江氏であり、過激な反日デモが続発したのは、胡氏の時代である。

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