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【勝負師たちの系譜】豊島八段、勝てば群雄割拠時代に 8つのタイトルを8人で分け合う (1/2ページ)

★ヒューリック杯棋聖戦(2)

 羽生善治竜王・棋聖が名人戦で敗退したため、現在豊島将之八段との間で戦われているヒューリック杯棋聖戦五番勝負が、大きな意味を持ってきた。

 羽生が勝てば100期目のタイトルは知られてきたが、豊島が勝つと初タイトルと同時に、8つのタイトルを8人で分け合うという、前代未聞の群雄割拠の時代となるのだ。

 将棋界ではいつの時代も絶対的な覇者がタイトルの半分以上を持ち、タイトル戦は覇者に挑戦者が挑むという図式がほとんどだった。しかしこれからは、どちらが格上かわからないタイトル戦が増えてくると思う。

 1勝1敗後の第3戦は、静岡県沼津市の『沼津倶楽部』で行われた。千本松原を望む元ミツワ石鹸のオーナーの別荘に、素晴らしい宿泊施設を作った、全国でも屈指の対局場である。今回私は、正立会人として同行した。

 前夜祭は着席で360人という、大結婚式のようだった。北海道から沖縄までの参加者があったのを見ても、棋士個人や観るだけの将棋ファンが、増えてきたのを実感できる。

 将棋は後手の羽生の4手目、△7二飛ですでに前例のない将棋。中堅以上になると、若い棋士相手には経験がある得意な形で戦おうという人が多い中で、羽生は幾つになっても将棋の中に、まだ自分の知らない世界があるのではないかという、探求心があるのが凄い。

 もっとも羽生の新構想は成功したとは言えず、作戦負けから不利となってしまった。

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