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【富坂聰 真・人民日報】平坦ではない拉致解決への道のり 中露巻き込み「ゲーム」仕掛ける時 (1/2ページ)

 米朝首脳会談を機会としてとらえ、あとはまさに日本の問題として、日本が北朝鮮に直接向き合い、この問題を解決していく--。

 6月14日午後、拉致被害者家族と面会した安倍晋三首相は、日朝会談の実現に意欲を示した。

 拉致問題に関しては、私は以前から、アメリカ頼りではなく、日本が独自に向き合うべきと発言してきた。遠回りし過ぎたとの印象は否めないが、好機到来である。

 だが、とは言っても道のりは平坦(へいたん)ではない。

 各国が二枚腰、二枚舌の狡猾な外交を繰り広げるなか、日本は独特の純粋さで「圧力」だけを叫び続けた。北朝鮮も、「平壌行き切符を入手できなくなる」と不快感を隠さなくなっていった。

 米朝首脳会談の直前には、頼みのトランプ大統領から「最大限の圧力という言葉は使いたくない」と梯子を外された。

 現状、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は日朝首脳会談に前向きだと伝えられるが、それは米朝首脳会談を経て、日本が慌てていると踏んでいるからだ。

 米朝首脳会談の4つの合意に「拉致」の文字がない以上、アメリカに対し北朝鮮が履行の義務を負うこともない。

 つまり会談が実現しても日本側が満足できるような材料を持ち帰ることができるか否か、極めて不透明なのである。

 解決済みとのスタンスはとらないまでも、不十分な回答を寄越し、「これで解決」とする可能性も否定できない。

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