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【勝負師たちの系譜】“個性派棋士”佐藤天彦名人を支える強い信念 奨励会時代から有名 (1/2ページ)

★佐藤天彦名人

 棋聖戦と並行していた名人戦で、佐藤天彦名人が羽生善治竜王・棋聖相手に4勝2敗で防衛したので、先にこちらを取り上げる。

 佐藤は一昨年、タイトル戦3度目の挑戦で、名人位を獲得した。

 名人位はC級2組から4年かけてA級に昇級し、そこで優勝しないと挑戦者になれないので、一番取りにくいタイトルのはずだが、初タイトルが名人という棋士は案外多い。

 谷川浩司九段、丸山忠久九段、森内俊之九段らである。

 佐藤はファッションに強いこだわりがあり、ベルギーのファッションブランド『アン・ドゥムルメステール』の服を長く愛用している。また着物も今までの棋士が着ない、薄紫や薄ピンクの着物でタイトル戦に臨み、最初は私なども正直、抵抗があった。

 ところがタイトル戦も3度目になると、自分の信念で臨む対局姿に違和感がなくなり、こういう姿の名人も悪くないと思ったら、名人を奪取したのだった。

 今回は羽生に先行されたが、第4、5局を横歩取りで快勝し、最後は相掛かり戦の難しい将棋を、制しての防衛だった。

 佐藤はこれで名人3期目だが、3期という数字は特別な意味がある。と言うのは、永世名人の資格を持たない名人経験者、古くは塚田正夫名誉十段、升田幸三実力制第四代名人を始め、近代の棋士もすべて、2期以内で終わっているからだ。

 つまり3期以上名人に就いた棋士は、すべて永世名人(通算5期)の資格を得ているのである。

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