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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「世界」》写真が語るG7の瓦解 トランプ大統領は世界をどうしたいのか?

 カナダ東部シャルルボワで開かれた先進7カ国カ国(G7)首脳会議(サミット)は、通商問題で保護主義的な色彩を強める米国とその他6カ国の対立を鮮明にし、「G6+1」との表現も生まれた。印象深かったのは、首脳たちがひざ詰めで議論する様子を撮影した写真だ。公開した国によってメッセージが異なる点が興味深かった。SNS上では、これらの“G7の瓦解(がかい)”を伝える写真は「将来、社会科の授業で使われるだろう」との指摘もあった。

 「G6+1」の構図を最も明確に表現していたのは、ドイツ政府が公開した写真だ。厳しい顔つきをしたメルケル首相が、1人だけ椅子にかけたトランプ米大統領に詰め寄っているように見える。対峙する2人の向こう側で、欧米の仲介役を期待された安倍晋三首相が2人のやり取りを見守っている。

 個人的に気になったのは、安倍首相とトランプ大統領がそろって腕組みをしている瞬間が切り取られていたことだ。欧州が日米の強固な関係性を意識したのかもしれない。

 日本の首相官邸が公開した写真はこれと似ているが、安倍首相をより目立たせた構図だ。安倍首相はテーブルに手をついて、トランプ大統領の前に身を乗り出すようにしている。安倍首相の後方には、西村康稔官房副長官と山崎和之外務審議官もちゃっかり控え、日本が欧米の仲裁役を担っているところを強調する内容となっている。

 一方、トランプ大統領は各国が公開した写真を転載して「G6+1」の構図をあおるような報道に不満を炸裂させている。15日には自身のツイッターで、テーブル上でメルケル首相の手に自分の手を重ねて微笑み合う場面のほか、トランプ大統領の話にカナダのトルドー首相らが耳を傾けている場面、ベランダで各国首脳らと談笑する様子など、9枚の写真を立て続けに投稿した。

 どれもトランプ氏が各国の首脳と良好な関係を築き、しかもG7をリードしているような印象を持たせる写真だ。17日にはツイッターに「フェイクニュースを一掃させよう!」と書き込み、G7で米国が孤立している状況をメディアに責任転嫁した。

 G7はもともと自由や民主主義などの価値観を共有する先進国が協調し、市場経済や民主主義を守る枠組みとして誕生した。経済のグローバル化が進み、テクノロジーが進展したことで、1国の政策やテロなどが世界経済全体に及ぼす影響も増大している。

 1つの製品の原材料調達や組み立て、販売に至るまでに発生する貿易関係を見ても、多数の国が複雑に絡み合うのが現代だ。こういう時代だからこそ、多数の国が参加する枠組みをうまく活用すべき時なのに、米国が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を他の6カ国すべてに発動したことで、G7の鉄の結束に亀裂が走った。

 トランプ大統領はG7閉幕から3時間もしないうちに、ツイッターで首脳宣言を反故にする暴挙にも出た。すべては11月の中間選挙を前にした支持者へのアピールのようだが、はっきり言って、国際社会を良くも悪くも牽引してきた米国、あるいはトランプ大統領がこの先、どんな世界を目指したいのか、さっぱり分からない。(B)

 マクロ経済を中心に取材してきた記者にとって、著名人のSNSはあくまで「参考程度」の扱いだったがトランプ大統領の誕生後はそれが一変した。いつ飛んでくるか分からない「トランプ砲」に備え、トランプ大統領のツイッターをこまめにチェックしている。

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。6月のお題は「世界」です。