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【ケント・ギルバート ニッポンの新常識】トランプ氏の安倍首相への発言は「暴言」か「冗談」か… 国民は情報の真偽を見抜く力が必要 (1/2ページ)

 カナダ東部シャルルボワで開催されたG7(先進7カ国)首脳会議で、移民政策を議論中、ドナルド・トランプ米大統領が安倍晋三首相に対し、「私が(日本に)メキシコ人を2500万人送れば、君はすぐ退陣することになるぞ」と語ったという。欧州連合(EU)職員を取材した、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が15日報じた。

 日本の複数のメディアは、この発言を「暴言」と表現した。しかし、いくらトランプ氏でも2500万人ものメキシコ人を日本に送り出すことなど不可能だと、誰でも分かる。

 私は、トランプ氏と安倍首相が非常に親密なうえ、日本での安倍政権の盤石さをトランプ氏が熟知するからこそ言えた、「冗談」として捉えた。

 この件を伝えるAFPの記事は、「G7は険悪な雰囲気の中で閉幕した」「混乱のうちに終了した」などと表現していた。この記者は、トランプ氏がよほど嫌いなのだろう。

 本コラムを含めて、新聞や週刊誌、雑誌や書籍などのメディアが、記事に主観的評価を書くことは「表現の自由」として認められている。それどころか、捏造(ねつぞう)した事実を、真実のように報じることも「表現の自由」の一部だ。

 もちろん、捏造が名誉毀損(きそん)や信用棄損、業務妨害などに該当する場合は、被害者から訴えられ、刑事上や民事上の責任を負う場合もある。だが、少数意見を国民の総意のように報じたり、捏造した事実を「真実」のように報じること自体は、違法ではないのだ。