記事詳細

【激変する安全保障】米朝共同声明、合意されたのは「CVID」ならぬ…「不完全で検証不可能かつ可逆的な朝鮮半島の非核化」 (1/2ページ)

★(2)

 米朝共同声明には、米国中心に国際社会が求めてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」が盛り込まれず、「朝鮮半島の完全な非核化」との表現に留まった。非核化のタイムテーブルも、ロードマップもない。過去の6カ国協議(日米中韓ロ朝)における合意と比べても、具体性に乏しい。

 「CVID」の明記をめぐる米朝交渉は、署名直前まで続いていたという(FNN報道)。残念でならない。皮肉を込めて言えば、CVIDならぬ「不完全で検証不可能かつ可逆的な(『北朝鮮の』ではなく)朝鮮半島の非核化」が合意された。

 この落差は大きい。数百発に及ぶ、北朝鮮の弾道ミサイルの射程下にある日本には死活的な問題が残った。

 米朝間の綱引きに例えるなら、土壇場で米国が北朝鮮側に引き込まれた格好だ。「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の勝利」(英BBC)と評してよかろう。落胆を禁じ得ない。

 ドナルド・トランプ政権が重ねた言い訳にもあきれた。首脳会談直前まで「CVID以外の結果は受け入れられない」と主張していたマイク・ポンペオ米国務長官に言わせると、共同声明の「完全な非核化」には「検証可能で不可逆的」の含意があるという。

 トランプ大統領の釈明もひどい。

 署名後の会見で、記者から「なぜ、CVIDが明記されていないのか」と聞かれ、「時間が足りなかった。私はここに1日しかいない。(中略)これからプロセスが始まる」と釈明した。「寝ずに交渉した」うんぬんと、子供じみた泣き言も語った。

zakzakの最新情報を受け取ろう