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【富坂聰 真・人民日報】北朝鮮の変化が導いた6・12会談 米国の狙い感じ経済重視に転換 (1/2ページ)

 6月12日、予定通りシンガポールのセントーサ島で米朝首脳会談が行われた。

 北朝鮮が〈地球上で最も長い歳月、鋭く対立し続けてきた朝米間の極端な敵対関係〉と表現した両国のトップが握手する姿は、少なからず世界に衝撃を与えた。

 各国メディアは、このニュースを大々的に報じたが、その焦点のほとんどは「非核化の進展」に向けられていた。そのことには、少々違和感を覚えた。

 というのも非核化と体制保証のバーターなど、そもそも難題である。トランプ大統領が会見でいみじくも語ったように、「完全な非核化は技術的に長い時間がかかる」ことは、当初からわかっていたこと。互いの猜疑心を、時間をかけて拭ってゆく過程なくして達成できるはずはない。

 1972年、激しく対立していた米中が電撃的に接近し、発した共同声明も同じような曖昧さに覆われていた。だが、決して「中身のない合意」とはならなかった。

 米朝が互いに声明の内容をきちんと履行できるか否かを見極め、次のステップに進むか否かの判断となるのは、むしろ通常の手続きといえよう。

 会談後すぐに出された北朝鮮の発表文でも、〈今回の会談で話し合われた問題と共同声明を履行していくための実践的措置を、積極的に取っていく〉と触れられている。

 大切なことは米朝が国交正常化の滑走路に入ったことであり、猜疑心を持ちながらも利害共有者となったという事実だ。

 会談後、巷には、「トランプは金正恩(キム・ジョンウン)に騙されたんだ」という説が広がったが、そんな無駄な会談のためにG7を早々に切り上げて向かうほど、トランプ氏は利害に無頓着な大統領なのだろうか。

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