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北朝鮮で非核化めぐり国論まっぷたつ…「過去への回帰」望む庶民 (1/3ページ)

 北朝鮮が韓国と米国に約束した非核化をめぐり、国内の意見が真っ二つに割れている。とはいっても、非核化そのものの是非ではない。非核化後の国のあり方だ。(丹東:カン・ナレ記者)

 中国に派遣された北朝鮮の幹部は、中央の高官、外貨稼ぎ機関の関係者、トンジュ(金主、新興富裕層)の間から「現状を維持し国際社会から原油支援さえ引き出せばいい」という声がよく聞かれると伝えた。

 「朝鮮労働党本部庁舎の幹部たちは一様に、非核化に大きく反発している。しかしそれは表向きのものだ。本音では、非核化に合意して国際社会がすぐに経済制裁を解くことに不安を抱いているのだ」(幹部)

 北朝鮮にとって、経済制裁の解除は望ましいことと思われるが、なぜ不安に感じるのだろうか。それは、経済制裁が解除され莫大な資金が流れ込んでくると、経済的に余裕のできた金正恩党委員長が、北朝鮮をかつてのような計画経済の時代に戻すのではないかと考えているからだ。

 「金正恩が望むのは、改革開放ではなく権力の信頼性が最も高かった1980年代への回帰だ」と、この幹部は話す。そして、配給を無条件で復活させよとの最近の指示は、食べ物で国民を統制していた1980年代の考え方だと説明を加えた。

 そうなれば困るのは幹部やトンジュたちだ。

 「1980年代の閉鎖的な政策を導入するとなれば、幹部はワイロが得られなくなり、厳しい思想教育と規律に縛られた暮らしに戻る。外貨稼ぎ機関は縮小され、海外への出張、駐在も半分以下になるだろう」(情報筋)

デイリーNKジャパン

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