記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】あまりに軽い財務省の処分 次官人事も組織原理を尊重、危機管理の常識はないのか (1/2ページ)

 財務省は、文書改竄(かいざん)と廃棄に関し、佐川宣寿前国税庁長官らの処分を発表した。財務省のもくろみは何か。また、次の事務次官に星野次彦主税局長が就き、岡本薫明主計局長は留任と報じられているが、この人事の意味は何か。

 文書改竄と廃棄について、大阪地検は不起訴処分とした。刑事事件化は一応、見送られるようだが、告発した市民団体は検察審査会に不服を申し立てたといい、今後の展開は予断を許さない。

 財務省の処分は刑事事件としてではなく、国家公務員法上のものであるが、社会的な制裁を受けたことで、刑事的な責任を問う必要はないとのアピールでもある。だが、国家公務員として、公文書を改竄し、国会で虚偽答弁を行ったのは言い訳のできないことだと思う。

 国家公務員法では、信用失墜行為の禁止として「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と定められている(99条)。今回の事例は、この法律違反の典型例だと思う。

 それにも関わらず、今回の処分は軽すぎるだろう。最も重い佐川氏でも「停職3カ月」である。公文書の改竄をしても、懲戒免職にならないというのはとても厳しいとはいえない。しかも、佐川氏はすでに退職しており、実害は退職金を500万円程度減額されただけ。文書改竄、廃棄、国会虚偽答弁しても、この程度と財務省が認定したというわけだ。

 筆者は、個人の処罰とともに、組織への処罰として、財務省は解体すべきだと思う。これは、「財政」という大きな国の方針を企画する官庁が、今回問題になった国有地売却や国税のような執行部門を併せ持つのはおかしいという常識からきている。政治に関わりのある企画部門と政治と関わるべきではない執行部門は分離するのが世界の常識だ。

zakzakの最新情報を受け取ろう