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【高橋洋一 日本の解き方】日米首脳会談で「拉致問題、伝える」としたトランプ氏の真意は「日朝」開催の働きかけだ 通商分野でも日本に失点なし (1/2ページ)

 先週開かれた日米首脳会談を受けて、日本のマスコミがどう報じるのか注目していたら、なんと最も多かったのが財務事務次官のセクハラ疑惑を受けた辞任の報道だった。首脳会談に関する報道も、トランプ米大統領が拉致問題の解決を北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に伝えるとしたことについて「米国任せだ」とケチをつけるなど、的を射ていないものがほとんどだ。

 米国は日本の拉致問題をそれほど熟知していないこともあり、トランプ氏が「伝える」というのは、北朝鮮とまともに拉致問題を話し合うということではない。トランプ氏が日朝首脳会談の開催を提起すると解するのが普通だろう。そうなれば、日本に大きなポイントである。

 その先にあるのは、2002年の日朝平壌宣言だ。当時の小泉純一郎首相と金正日(キム・ジョンイル)総書記の首脳会談の際に調印されたもので、拉致問題の解決、植民地支配の過去の清算、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれている。日本からの経済援助は1兆円を超えるとも噂されていたが、その後の北朝鮮の核・ミサイル実験により有名無実化した。

 日朝平壌宣言の枠組みには批判があるが、実行可能性はある。北朝鮮にとってのどから手が出るほど欲しい経済援助を「武器」にするのは、日本らしい平和的方法だ。経済援助とともに北朝鮮をモニタリングすることこそ、非軍事的なところで日本がやりうる分野だ。

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