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【大前研一 大前研一のニュース時評】トランプ氏の「勘違い」が招いた米中貿易戦争 このままでは中国の次に日本に牙をむけるかも (1/2ページ)

 米国が「中国製品1300品目に25%の関税をかける」と公表したことを受け、中国商務省は4日、米国を世界貿易機関(WTO)に提訴するととともに、報復措置として米国産の大豆、トウモロコシ、小麦、自動車、航空機など106品目の米国製品に25%の関税をかける方針を明らかにした。

 かつて日米貿易戦争のときに、日本はかなりの部分で米国の主張に従った。一方、今回の中国は「目には目」「やられたらやり返す」という政策をとった。ここで選んだ品目が非常に面白い。

 大豆、トウモロコシ、小麦などは、いわゆる「トランプ・カントリー」のウィスコンシン州やアイダホ州、アイオワ州、インディアナ州が生産している物だ。この産地の農民はトランプ大統領の強烈な支持者。そういう所を狙いうちにしたわけだ。大豆はブラジルから買えばいいと考えている中国は、冷静に分析して攻めてきているようだ。

 そもそも、トランプ氏が「貿易不均衡の国は米国の敵」と主張していることには根拠がない。なぜかというと、米中間の貿易で米国には約30兆円強の輸入超過が生じているが、その品目の多くは中国から売り込んだ物ではないからだ。

 1980年代の日米貿易戦争の際、日本のメーカーは自動車、家電とも強く、トヨタ、ホンダ、日産、ソニー、パナソニックなどは米国に拠点をつくって売り込んでいた。現在、中国企業で米国に売り込む力を持っているブランドはほとんどない。

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