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【高橋洋一 日本の解き方】愛媛県の「首相案件」文書は首相の実際の関与意味せず 文科行政が正された結果に (1/2ページ)

 加計学園の大学獣医学部新設をめぐり、愛媛県の中村時広知事は、同県職員らが2015年4月、首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官に面会した際に記録した備忘録が存在すると明らかにした。秘書官の発言として「本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」などと記されているという。「首相案件」は、安倍晋三首相の関与を意味するものなのか。

 一方の当事者である柳瀬氏が面会を「記憶にない」としているので、国会招致などで事実解明が必要となるだろう。もし柳瀬氏が県職員らと接触していたとすれば、首相の関与というより、経産省官僚らが政治課題として、以前から要望のあった加計学園を規制緩和の「目玉」に選んだ可能性もある。

 本件を政策的な観点でみると、文部科学省の下で獣医学部の新設が50年以上も認められてこなかったという経緯がある。しかも、それは文科省告示によって認可申請を行わせないという、およそ一般常識からは考えられないものだ。これが一般企業なら、行政訴訟をすれば、確実に文科省が負けるだろう。

 官僚の感覚からすれば、認可申請をさせなかった文科省を議論で論破するのは簡単な話だ。ただし、獣医学部の新設を拒む獣医師会やその背後にいる政治家を気にするだろう。

 事務的に簡単なのは規制緩和であるが、政治的には自民党内に獣医師会に近い議員も少なくないことから、官僚サイドの整理として、政治案件と位置づけることはありえるだろう。

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