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【勝負師たちの系譜】将棋界で一番過酷な勝負、藤井六段も5敗した最難関「三段リーグ」 (1/2ページ)

★三段リーグ(1) 

 将棋界で一番過酷な勝負は何か、ご存じだろうか。タイトル戦の番勝負や、昇降級を賭けた順位戦ではない。今年2月、里見香奈女流五冠が四段になれず、奨励会を去ったことが報道された、三段リーグである。

 プロ棋士になるにはまず、養成機関である奨励会に入らねばならない。試験に合格して6級(アマ四~五段)からスタートし、順調に昇級・昇段しても、最後に難関の三段リーグが待っている。半年で18局のリーグを戦い、36人(2017年度後期)の中で原則、上位2人しか昇段できないのだ。

 しかも26歳の誕生日までに四段になれないと原則、自動的に退会という年齢制限がある。つまり男性の奨励会員にとっては、ここを抜けない限り、生きていく道がないのである。

 プロになっていきなり29連勝の新記録を作った藤井聡太六段でさえ、三段リーグは13勝5敗と5敗したことは、あまり知られていない。しかも最終局を負けていたら上がれず、こんなに騒がれることもなかったかもしれない。

 三段リーグは今回で62回が終わり、130人ほどの昇段者の中で最高成績は16勝2敗。命を懸けた勝負では、誰も全勝などできないのだ。

 実は私も、旧三段リーグ経験者である。当時は関東と関西に分かれてリーグを戦い、優勝者同士の東西決戦で勝った方が四段になれた。東西決戦の対局室には、奨励会の幹事すら入室を憚る雰囲気があった。

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