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【高橋洋一 日本の解き方】機が熟してきた放送制度改革 技術の進展で競争政策可能に メデイアの国際化は国益に貢献 (1/2ページ)

 政府は放送制度改革で、政治的公平などを定めた放送法4条の撤廃方針や、ソフトとハードの分離などを打ち出したと報じられているが、その背景や狙いはどのようなものだろうか。

 筆者は官僚時代の2006年当時、竹中平蔵総務大臣の補佐官を務めたことがある。そのとき筆者はもっぱら郵政民営化と地方財政を担当していたので、放送行政は担当外だった。通信と放送の融合に合わせた放送制度改革が議論されていたので、ちょっとのぞき見をしていたくらいだ。

 当時の門外漢からみれば、放送法で規制されていることが、通信技術の発展によって有名無実化するので、放送制度改革を急がなければならないというのは「常識的」なもののように感じられた。ところが、実際には、放送の既得権が政治を動かし、改革は全く進まなかった。

 総務省在籍当時、筆者の仕事部屋は大臣室の隣にある秘書官室だった。筆者とは面識のない多数の人が秘書官室に訪れ、名刺を配っていく。筆者も秘書官室の一員であるので、名刺をいただいた。それをみると、メディア関係の人たちだ。その中には、「波取り記者」と呼ばれる人も含まれていた。

 「波取り記者」の「波」とは電波のことで、いわゆる「電波利権」を確保するために電波行政のロビイングをする人たちだ。こうした人は新聞業界にもいた。

 彼らの政治パワーは強力であり、その結果として改革が全く進まなかったのだ。これは、日本の電波・放送行政が先進国で最も遅れた原因である。

 本来であれば、10年以上前にやっておくべきであった。それが出来ずに、時間を無駄にしてしまった。

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