記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】需給ギャッププラス転換でも手放しで喜ぶのはまだ 早い財政・金融の手を緩めるな (1/2ページ)

 内閣府の需給ギャップ(GDPギャップ)の試算で、2017年の総需要が総供給を上回ったと伝えられた。需給ギャップは解消されたといえるのだろうか。

 マクロ経済の需給ギャップは、現実GDPと潜在GDPの差を潜在GDPで除して算出される。内閣府が17年10~12月期のGDP改定値を踏まえて試算したところ、17年の総需要を示す実質GDPは531兆円となった。一方、総供給にあたる潜在GDPは529兆円であり、需給ギャップはプラス0・4%となった。

 ここでポイントとなるのは潜在GDPである。潜在GDPは、理論的には物的資本と人的資本を最大限利用したときに得られるGDPとされる。具体的には、設備がフル稼働、雇用は完全雇用で失業率はこれ以上下げられない水準(構造的失業率=NAIRU)となっているときのGDPだ。

 推計にはいろいろな方法があるが、各種手法によって幅があるのは避けられない。このため内閣府でも「推計値は、推計手法によってかなり異なる値をとりうるほか、様々な推計誤差が含まれるため、十分な幅を持って評価する必要があります」との注釈が付けられている。

 しかも、過去の現実のGDPの推移・傾向値に引きずられてしまうのは避けられない。ちなみに、内閣府では、潜在GDPは「経済の過去のトレンドからみて平均的な水準で生産要素を投入した時に実現可能なGDP」と定義されている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう