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【高橋洋一 日本の解き方】文書改竄で失われた行政への信頼 納税者の怒りをかった財務省、消費再増税は取り下げが筋 (1/2ページ)

 財務省の公文書改竄(かいざん)は、確定申告期間中に発覚した前代未聞の出来事だった。現職の佐川宣寿国税庁長官が辞任するという事態となったのだ。

 米国の確定申告では、納税者は年に1回であるが、申告するときに政府に文句を言うことができるとされている。そうした習慣は日本にはないが、国税庁長官の辞任は確定申告者の怒りをかっているのは事実である。

 米国、フランス、イタリアなどでは源泉徴収制度はあるが、年末調整はない。例えば米国では、会社が年末調整を行わずに、給与所得者であっても、かなりの人が確定申告を行う。

 日本では、会社が源泉徴収し、年末調整を行うので、雇用者の代わりに会社が「確定申告」を行ってくれているともいえる。このため、日本の納税者は確定申告をしない人が多く、今回のような財務省の不祥事にも反応が鈍いように感じる。

 20年前にも旧大蔵省で不祥事があったが、なんといっても「ノーパンしゃぶしゃぶ」という言葉にインパクトがあった。これで、当時の大蔵省の信頼は一気に失墜した。逮捕者は5人出て、大蔵大臣、事務次官が辞任した。

 もっとも、大蔵省不祥事は1998年1月から4月にかけて発覚したが、その前の97年4月には消費税率3%から5%への増税が行われていた。

 国民は、行政がきちんと仕事をしていることを前提として、納税の義務がある。そもそも、行政の信頼がなければ、納税しようと思えないはずだ。

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