記事詳細

【桂春蝶の蝶々発止。】「これからもずっと、あの震災を忘れない」 被災者の皆さんにわれわれができること (1/2ページ)

 誰もが忘れられない日、3月11日。今年で東日本大震災から丸7年を迎えました。直接被害を受けたわけではない私ですら、7年経ってもテレビで見た、あの残像は消えません。日本は地震大国で、災害リスクが非常に高い環境にあるのだと、改めて皆に知らしめた、あの震災。防災の意識を高めると同時に、命についても深く考える1日であると思うのです。

 私は2013年から、命にまつわる創作落語をつくり続けています。テーマは「戦争」「国際救助」「認知症」「医療」など。聴いてくださった方々が、今自分が抱える命に、より温もりを感じられるように。周りに生きる人々の存在を、より慈しんでいただけるように。そんな思いを込めて作った落語、私の子供のような作品たちです。

 その中でも、4作目の「ニライカナイで逢いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録~」という沖縄戦を舞台にした噺は、特に思い入れが強いのです。

 現地の沖縄で取材をしたときのことです。元ひめゆり学徒隊の方にお話を伺ったのですが、その方は想像を絶する凄惨(せいさん)な話を語ってくれました。大きな声で笑いながら。

 失礼ながら、私の中で何かしらの違和感があふれ、思わず「なぜ、笑っておられるのですか?」と伺いました。その方はこう言われました。

 「それは今まで70年、ずっと泣いてきたからさ」

 私は涙が止まりませんでした。自分の思慮が足りなかったことも反省しました。この方の笑顔は、涙の延長線上にあるもの。笑っているからと言って、その人の中の傷が癒えているかどうか、誰にも分からない。それを教えられた一瞬でした。

関連ニュース