記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】北への厳しい視線、米韓との首脳会談実現でも変化なし 目に見える非核化が必要 (2/2ページ)

 核・ミサイル開発を完成させるためのコストはかなり少ない。一方、核・ミサイルが完成した場合の便益は、米国が北朝鮮に手出しできなくなるので、かなり大きい。

 その場合、合理的な行動としては、核・ミサイル開発を継続して完成させることだ。おそらく、そのためには、ウソをつくインセンティブ(誘因)がかなり大きくなるだろう。これが、リアルな分析である。

 米国としては、こうしたリアルな判断をする公算が大きい。ちなみに、南北首脳会談が報じられると、米国は一応歓迎を示しながら、ペンス副大統領は「本当に非核化になるのかどうかを見極める」という厳しい見方を示した。また、正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が昨年2月にマレーシア・クアラルンプールで殺害された事件について、米国は北朝鮮の犯行と断定し、追加制裁を発表した。

 北朝鮮は目に見える形で、核・ミサイル開発をやめたことを示す必要があるのだろう。例えば、核物質のプルトニウムの製造では、かならず熱が出る。その工場は容易に移設できず、すでに位置は特定されている。

 工場の稼働状況は衛星から常に監視されているが、外界温度からみて通常運転のようだ。

 ここにきて5月に米朝首脳会談という超弩級(ちょうどきゅう)の展開になってきた。それでも、北朝鮮は非核化で目に見える成果を示す必要があることに変わりはない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)