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【高橋洋一 日本の解き方】北への厳しい視線、米韓との首脳会談実現でも変化なし 目に見える非核化が必要 (1/2ページ)

 4月末に南北首脳会談の実施で合意したと発表があったが、韓国と北朝鮮の思惑はなにか。平昌(ピョンチャン)パラリンピック後の米韓軍事演習や、北の核・ミサイル開発のスケジュール、米国の軍事オプション行使の可能性などに影響は出てくるのだろうか。

 韓国は鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長らが訪朝した。北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が直接会談するという異例の対応をした。南北間の協議後、正恩氏主催で開かれた夕食会は約4時間にわたり、李雪主(リ・ソルジュ)夫人と実妹の金与正(キム・ヨジョン)氏も出席した。

 4月末の南北首脳会談のほか、正恩氏は▽体制が保証されれば非核化の用意がある▽対話継続中はミサイルを発射しない▽韓国には核兵器も通常兵器も使わない-と話したという。

 これらは、一見すると正恩氏が方向転換したように思えるが、実は30年間にわたり北朝鮮が米国に対して言ってきたことと同じである。

 しかも、それはことごとく北朝鮮によって破られてきた。そして、約束を破ってきた北朝鮮は、核・ミサイル開発を続けてきて、あと一歩のところで完成という域まできている。

 ここで、継続してきたプロジェクトをやめるかどうかについての経済学の一般理論を考えてみよう。これは、サンクコスト(埋没費用)理論である。つまり、それまでプロジェクトに投下してきた費用はいったんなかったものとして、プロジェクトを完成させる追加的な費用とプロジェクトが完成したあかつきの便益の比率で意思決定する。