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【高橋洋一 日本の解き方】輸入制限は歴代の米国政府の常套手段 欧州や日本が矢面に立てば、中国が漁夫の利得る恐れも (1/2ページ)

 トランプ米大統領は、国家安全保障を理由として鉄鋼とアルミの輸入に関税をかける方針を打ち出した。欧州連合(EU)などは対抗措置をとるとしているが、落としどころはあるのだろうか。

 トランプ大統領の発言の根拠は、米国の1962年通商拡大法232条である。国家安全保障問題を理由として、米大統領に関税率の引き上げや輸入割当枠の導入など輸入制限の権限を与えるという法律条項だ。

 過去の実施例としては、79年に対イラン、82年に対リビアで原油を制裁対象とした。ただし、この条項は発動条件が曖昧であるため、世界貿易機関(WTO)の貿易ルールに抵触する恐れもある。

 こうした輸入制限は、歴代の米国政府の常套(じょうとう)手段だ。レーガン政権の80年代後半には、日本などを名指し輸入制限を課すというスーパー301条もあった。今回用いられた通商拡大法232条も、80年代前半、日本の工作機械を念頭に発動する動きもあり、これが日本側の86年の輸出数量自主規制となった。

 ブッシュ政権の2002年3月には、通商法201条に基づき、鉄鋼輸入の急増を理由として鉄鋼製品の輸入制限が導入された。当初05年3月まで輸入制限が実施される予定だったが、WTOがルール違反との裁定を下し、EUが報復関税を発動すると警告したことによって、03年12月に打ち切られた。

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