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金正恩氏のお菓子セットが「不味すぎて」発展する北朝鮮の資本主義 (1/3ページ)

 北朝鮮の食糧工場は今月に入ってからフル稼働を続けている。光明星節(2月16日の金正日総書記の生誕記念日)に子どもたちに配るお菓子セットを生産するためだ。人手が足りないため、朝から晩まで16時間働き詰めの技術者も少なくないという。

 当局は「忠誠心で自力更生せよ」などと言って残業代を一切払わないが、それでも労働者たちはほくほく顔だ。上から不満を抑えつけているわけでも、彼らが金正恩党委員長への忠誠心で満ち溢れているわけでもない。デイリーNKのカン・ミジン記者は、その内幕を次のように説明する。

 工場は、お菓子セットの材料を自力で調達することを求められる。国家指導者の名のもとに配給されるものだけあって、調達できなければ政治問題に発展し担当者のクビが飛びかねない。そのため中国から輸入したり、住民から徴発したりして材料がかき集められるのだが、その量は見る見るうちに目減りしていく。工場の労働者たちが、横流ししているのだ。

 (参考記事:金正恩氏の「プレミアムお菓子セット」を独占入手!…党大会のお土産用

 材料を扱う部署では小麦粉や砂糖を横流しする。生産する部署ではできたお菓子を横流しする。包装する部署では完成品を横流しする、という具合だ。労働者も幹部も、年に3回しかないビッグチャンスを最大限に活用し、お互い目をつぶり合ってせっせと横流しに励むのである。

 食品工場では、お菓子が国の規定通りに作られたか品質検査を行うことになっている。しかし、厳しく検査したところで何の得にもならないことを知っている検査員は、他の部署からワイロを受け取り、形ばかりの検査を行う。かくして、子どもたちの手には本来のレシピからはかけ離れた出来の、まずいお菓子セットが渡されるというわけだ。

デイリーNKジャパン
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