記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】金融緩和の「出口」扇動する人、債券取引のポジショントークか 予測誤った報道と市場関係者 (1/2ページ)

 23日の日銀決定会合後の記者会見で黒田東彦(はるひこ)総裁は、一部のメディアや市場関係者の間で取り沙汰されている金融緩和政策の「出口論」を打ち消した。現状で出口戦略に踏み出すかもしれないと推測したり、情報を流したりする人たちには、どんな思惑やメリットがあるのだろうか。

 本コラムの読者であれば、ご存じだろうが、金融政策の方法は本来シンプルだ。まず、これ以上は下げられない失業率、つまり構造失業率(NAIRU)を推計し、これを達成するための最低限のインフレ率をインフレ目標とする。後は、実際のインフレ率がインフレ目標より低ければ金融緩和、高ければ引き締めというのが基本である。

 インフレ目標に達していないときの失業率は構造失業率より高く、インフレ目標より高くなってるときは失業率が下限にへばりつき、景気が過熱しているのが通例だ。

 金融政策には効果を発生するまでのタイムラグがあるので、半年先、1年先がどうなるかをシミュレーションしながら政策を決める。船が急に舵を切ってもすぐには方向転回できないことと似ている。

 こうした中央銀行の基本的な行動様式を押さえておけば、金融政策はだいたい読める。もちろん、人間がやることなので、判断に差が出ることもあり100%とはいかないが、それでも8割以上は予想可能であろう。予想できないとすれば、中央銀行がセオリーを無視して行動していることが多い。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう