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【大前研一 大前研一のニュース時評】対中、対露を最優先する「米国の国防戦略」 日本など同盟国の役割を重視も (1/2ページ)

 米国のマティス国防長官は19日、トランプ政権下では初めての「国家防衛戦略」を公表し、中国、ロシアとの軍事的な競争への対応を最優先の課題とした。米国は9・11以降の過去15年、イスラム過激派との戦いを国防戦略の優先課題としてきたが、その方針を転換したものと思われる。

 中身は、対テロの軍事作戦は続ける一方、中長期的な国防戦略では、中露の軍事的な台頭に対し、米国の優位を維持するため、核を含む軍事力の近代化と増強を急ぐとしている。また、日本などの同盟国の役割を重視することも強調している。優先事項は今後の国防予算の要求に反映される。

 この米国の新国防戦略について、中国国防省は「脅威を誇張している」などと反発している。また、ロシアのラブロフ外相も国連で、「通常の対話の機会や国際法の根拠に基づかず、米国がこのような対立的な戦略を通じて指導力を証明しようとしていることは残念だ」と発言した。

 こうした反発も理解できないわけではないが今回のマティス長官の指摘、私は正しいと思う。確かに中国やロシアは軍拡を急速に進め、米国と対抗できる状況になっている。

 ロシアはシリアを演習場のようにして、自分たちの兵器を使いまくった。カスピ海からクルーズミサイルでシリアの反政府軍の基地を攻撃する、など兵器の性能テスト以外には考えられない派手な演出であった。おかげでロシア製の兵器は世界の軍事産業の中で一番売れるようになってしまった。米国およびその軍需産業が危機感を持つのは当然だと思う。

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