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【高橋洋一 日本の解き方】誤解だらけの「水道民営化」 外資乗っ取り懸念は杞憂だ、競争力はあり選択肢も広い (1/2ページ)

 地方自治体が上下水道の運営権を民間に売却しやすい仕組みを作ることを政府が検討していると報じられた。民営化は海外で失敗して「再公営化」された事例があるなど懸念する声もあるが、水道の民営化とはどのようなものなのか。

 本コラムの読者であれば、筆者が役人時代に直接・間接的に数々の「民営化」に取り組んできたことを知っているだろう。

 ひと口に「民営化」といってもさまざまな形態がある。純粋な形の民営化は、「公有公営」を「民有民営」にすることだ。しかし、「公有民営」や「公設民営」も民営化という。

 公有民営とは、資本を公的部門が保有し経営形態を会社化するもので特殊会社と呼ばれる形態である。公設民営とは、施設所有権を公的部門が持ち、運営権のみを民間に委ねる形態であり、コンセッションと呼ばれる。

 ここでいう水道の民営化は、水道等の公共施設の使用権を、独占的な形で民間会社に譲渡するものだ。

 欧米では、公共インフラを公的部門が所有しながら、運営権を民間事業者に譲渡することは普通に行われていた。しかし、日本ではそうした法制度がなかったので、2011年6月に改正PFI法が公布され、コンセッション方式が実施できるようになった。

 同法の趣旨を簡単にいえば、従来の公有公営と比べて、公設民営のほうが国民にとって良ければ、「民営化」されるというのが基本的な仕組みである。逆にいえば、こうした条件が満たされていないにもかかわらず、「民営化」を行うことは許されない。水道の民営化でも、この原則が貫かれるべきだ。

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