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金正恩氏の「拷問部隊」が始めた「プレミアムサービス」とは (2/2ページ)

 金正恩党委員長は「国外への情報流出、国内への情報流入」に神経をとがらせており、厳しく取り締まるよう指示している。これを受けて保衛省は、高性能の電波探知器を導入して、中国との違法な携帯通話を取り締まっている。一方、地方部局である保衛部は、どうやら取り締まりの権限を金儲けに利用しているようだ。最近では、保衛部の方から積極的に「サービス」を提供することもあるという。

 例えば両江道(リャンガンド)の保衛部は、通話1時間あたり500元(約8600円)を受け取り、時間と場所を指定して、電波探知器のスイッチを切って携帯電話を使わせるというサービスを行っている。まるで、警察が強盗に武器を貸し与えるようなものだ。

 保衛部が下手に出るようになった背景には、金正恩氏の政策がある。トップの金元弘(キム・ウォノン)氏を解任し、複数の幹部を処刑するなどして、肥大化した保衛省を抑えつけようとしているのだが、そのおかげで要員たちが困窮するようになってしまったのだ。

 さらに、LINEやカカオトークなどのメッセンジャーアプリの普及も、保衛部が任務を放り出す一因になっている。通信が暗号化されているため、従来の電波探知器では対処できず、取り締まりが難しいのだ。

 (関連記事:「LINEを使う人間はスパイ」金正恩体制が宣言

 そこで、「容疑者の皆様」に様々な「サービス」を提供することで、市民から自分たちに向けられる厳しい視線を和らげ、安定的な収入を得るための「営業努力」をしているのだと情報筋は見ている。

 今の北朝鮮は庶民がゼロから作り上げた市場経済、いわば「草の根資本主義」なしには成り立たない。金正恩体制の思想統制を支えてきた保衛省ですら、この波に乗り遅れまいと必死のようだ。

デイリーNKジャパン
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