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【高橋洋一 日本の解き方】古い体質引きずる日銀審議 インフレ目標達成「時間かかる」は総裁再任控えた安全運転か (1/2ページ)

 10月末の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公開されたが、黒田東彦(はるひこ)総裁の任期が迫るなかで、議論に変化は出ているのか。

 決定会合における主な意見は、日銀のウェブサイトで公開される。(1)各政策委員および政府出席者が、金融政策決定会合で表明した意見について、発言者自身で一定の文字数以内に要約し、議長である総裁に提出する(2)議長はこれを自身の責任において項目ごとに編集する-というプロセスで作成されており、各委員の意見がより正確に反映されている。

 10月30、31日の会合について、金融経済情勢に関する意見をみると「わが国の景気は緩やかに拡大している。先行きも、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、きわめて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に、景気の拡大が続くとみている」「わが国の景気は緩やかに拡大している。個人消費や設備投資といった内需は増加傾向にあり、先行き2017、18年度は潜在成長率を上回る成長を続けると見込まれる。その後、19年度は、消費税率引き上げの影響もあり、成長ペースは鈍化するとみられる」とある。金融政策だけではなく、政府の景気対策への期待や、消費増税による悪影響も主張するようになっている。

 マクロ経済学から見れば当然であるが、マクロ経済政策には金融政策と財政政策がある。これは車の両輪であって、それぞれがマクロ経済に影響を及ぼす。

 物価や失業率に影響のあるGDP(国内総生産)ギャップにも深く関係している。GDPギャップには財政政策しか影響しないという間違った考え方が、「古い日銀」にはあった。実際、筆者が古い日銀幹部からそう聞いたこともある。

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