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【高橋洋一 日本の解き方】「古いアベノミクス批判」では野党は経済論戦に勝てない 物価より雇用重視すべきだ (1/2ページ)

 民進党の代表となった大塚耕平参院議員が、アベノミクスの金融緩和政策について「既に破綻している」と述べたという。これで与党に対抗できるのか。

 大塚氏は日銀出身で、マスコミの評価では「政策通」とされている。たしかに、平均的な国会議員よりは、政策を語れる能力はあるが、古い日銀の枠からは出ていない。

 筆者のように、今の黒田東彦(はるひこ)日銀総裁体制以前の金融政策を批判してきた者にとっては、日本をデフレに追いやり、「失われた20年」を作った当時の日銀は日本経済のガンであった。アベノミクスの異次元緩和によって、遅ればせながら失われた20年を取り戻しつつある。そのタイミングで、再び古い日銀を復活させたいのか、と大塚氏の代表就任をみて思ってしまう。

 大塚氏は、安倍晋三政権の金融緩和政策は既に破綻していると主張するが、その根拠は「物価が上がらないから」だという。まさに古い日銀そのものである。古い日銀は、物価さえ見ていればいいという考えだった。「日銀の仕事には、物価とともに雇用の確保がある」と言ったら古い日銀の人は否定するが、大塚氏も雇用はあまり眼中にないようにみえる。

 物価だけに注目していると、デフレが望ましいようにみえてしまう。そうした理論も存在している。いわゆる「フリードマン・ルール」だ。これは経済学者のミルトン・フリードマン氏が「貨幣が市場にもたらす摩擦をなくすには、貨幣のリターンと他の金融資産のリターンを同じにすることが最適だ」と述べたことからその名がついた。

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