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【勝負師たちの系譜】羽生善治氏の時代を意識し動く使命感 AI取材で海外に、帰国後は学生同士の交流会 (1/2ページ)

★羽生善治(4)

 数々の記録を作った羽生善治棋聖・王座も、この9月中に47歳になる。

 40代後半には、ほとんどの歴代の第一人者がその座を明け渡しているから、まだ10連覇の棋聖位を含むタイトルを2つ持っていることを、たたえるべきだろう。

 40代後半となると体力的に落ちる上に、第一人者に叩かれた経験がない棋士が挑戦者に出てくる。つまり恐怖心のない相手と指すわけで、そうなると逆に先輩の方に違和感があり、いつの間にか形勢が悪くなる。幾多の先輩がそのパターンで、後輩に敗れていった。今回の王位戦の対菅井竜也戦などは、その典型のようなものであろう。

 私は以前から、羽生は時代によって自分が何をなすべきかを考えて生きている気がしてならない。19歳で竜王となり、25歳で史上初の七冠制覇するまでは、ともかく未踏の高みに昇ること一筋に。この間は降るように来るCMの話を、ほとんど断っていた。

 そのあとは英会話を習い、チェスの研究もして、海外との交流や、チェスから将棋を見て思考の幅を広げてきた。

 出版物も、技術書の「羽生の頭脳」を10巻出した後は生き方や対談物に移り、次はこどもの入門書が主となっている。これを逆行させて、もう一度羽生の名前で売ろうとした企画もあったが、羽生はしっかり断っていた。

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