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【高橋洋一 日本の解き方】概算要求と予算のカラクリ 17年度補正2兆円だけなら物価目標や完全雇用困難に (1/2ページ)

 2018年度予算の概算要求が100兆円を超えたと報じられた。この額は年末に向けてどう変わるのか。今後の補正予算と併せてデフレ脱却や経済成長に十分な規模となるのか。

 これを分析するために、財政支出の経験則を紹介しよう。一般会計については夏に各省庁からの概算要求があり、それを12月末までに削って予算の政府原案を作る。その政府原案は、翌年1月からの国会審議で3月末までに成立して当初予算となって、4月から予算執行される。

 財政には各政権それぞれのカラーがある。各年の財政支出水準について概算要求の総額を見ると、政権交代前の自民党政権で85兆円、民主党政権で95兆円、続く安倍政権で101兆円程度となっている。当初予算では、自民党政権で82兆円、民主党政権で92兆円、安倍政権で97兆円程度。補正予算後の予算では、自民党政権が85兆円、民主党政権が101兆円、安倍政権が100兆円程度だ。

 01年度から17年度までの当初予算と概算要求の間には、リーマン・ショック(08年9月15日)への対応をせざるを得なかった09年を除き、安定的な関係がある。当初予算は概算要求を4%程度カットした水準で決まっている。

 しかし、当初予算では足りないので、ほとんどの年度において年度途中に補正予算が編成され、それで当初予算に上乗せされる修正が行われている。

 その場合の歳出総額は、リーマン・ショックに対応せざるを得なかった09年度と、東日本大震災(11年3月11日)で予算規模を膨らまさざるを得なかった11年度を除いて、もともとの概算要求と同じ水準になっている。これが、筆者のいう「経験則」である。

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