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働く高齢者から収奪した在職老齢年金1兆円が政府の埋蔵金に (1/4ページ)

 喉元過ぎれば熱さを忘れるというが、あの「消えた年金問題」から10年、年金役人たちがまたしても国民の知らないうちに年金のカネで埋蔵金作りを始めていた。「社会保障費の伸びが毎年1兆円に達する」「年金財源が足りない」と国民に訴えて、働く高齢者の年金を減額して生み出したはずの巨額の資金が年金会計のどこにも見当たらない。一体、いくら、どこに消えたのか。本誌・週刊ポストは埋蔵金を追跡し、ついに掘り当てた。

 働く高齢者には年金を強制的に返上させられる「在職老齢年金」の制度がある。大企業の経営者のような高額所得者ではなくても、収入が28万円を超えると年金を減額(支給停止)されているのだ。

 在職老齢年金の年金カットによって、国は本来払わなければならない年金債務を帳消しにできる。支給停止分は企業でいえば“特別利益”にあたるとみることができる。

 では、高齢者が働くことによる年金カット分の総額は、毎年、どれくらいの額になるのか。実は、その数字は存在しない。

 年金特別会計の決算報告書にも、厚労省が厚生年金と国民年金の詳細なデータをまとめて毎年発表している年金事業年報にも、在職老齢年金の対象者数や支給停止となっている年金の総額は報告されていない。それどころか、「在職老齢年金」という言葉さえ出てこないのだ。

 事業年報を担当する同省年金局事業企画課調査室に聞くと、「在職老齢年金の総額、適用者の統計は取っていない」と答えた。高齢者の年金を減額しているのだから、“年金財政にこれだけ貢献してもらっている”と示すのが当然なのに、在職老齢年金は公式データから“抹消”されているのだ。

NEWSポストセブン
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