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【富坂聰 真・人民日報】影響力増す「BRICS」に警戒感拭えぬ先進国 議長国として習氏が訴えた世界が抱える3つの赤字 (2/2ページ)

 今回、議長国として習近平が訴えたのは、世界が抱える3つの赤字(平和の赤字、発展の赤字、グローバルガバナンスの赤字)の解消のためには発展途上国の協力が不可欠であるという考え方だった。

 BRICS外相会議やBRICS安全保障問題高官会議は、まさにその具体的なツールということなのだろう。

 習近平は会議のなかで「BRICSプラス」という言葉を盛んに使った。これはBRICSがその枠を拡大し、今後は、発展途上国の代弁者の役割を果たしていくことを意味している。

 今年8月17日、南アフリカに設立されたアフリカ地域センターは、BRICSが設立した新開発銀行によるもので、インフラ投資を通じて大きな影響力を持つための一貫だと考えられている。新興国と発展途上国との関係強化を実現するためにも、BRICSという装置で有効に機能していることを思わせるのだ。

 現状、「BRICS協力が政治、軍事に広がることはない」(中国外交部報道官)とされるが、西側先進国にとっては警戒感を拭えない。

 北朝鮮の核開発問題も大切だが、面積で世界の30%、人口で43%を占めるBRICSの動きにも、日本はもう少し敏感であるべきだろう。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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