記事詳細

【朝日新聞研究】「もりかけ報道」で“主役”だった朝日新聞 重視した国有地問題、それなら築地本社の土地取得経緯は? (2/2ページ)

 この本の第九章で、朝日新聞が1973年1月、元国有地である築地本社の土地を手に入れた経緯が述べられている(135~138ページ)。

 同書によると、築地の土地はもともと、海上保安庁水路部であり、「都心部でも有数の一等地」だった。現在の地価は300億円するだろうという。大蔵省に対し、朝日が交換取引に差し出したのは、杉並区に所有していた「朝日・浜田山グラウンド土地」。大蔵省は公務員住宅用地として入手したが、遺跡が存在したために杉並区に払い下げられ、「区立塚山公園」になっている。

 同書では、「田中角栄総理と広岡知男朝日新聞社長の間で話が纏り、政府トップ田中角栄から指示を受けた大蔵省が『交換取引』に応じたと推測される」「朝日は非上場で実質『個人商店』であり、肝心な交渉経緯は開示されていない」と述べられている。

 ともかく、朝日新聞は有楽町(旧東京本社跡地=現・有楽町マリオン)などの土地を手放さずに、築地の土地を手に入れた。有楽町の土地は再開発により、大きな不動産収入を生み出し、朝日の経営に寄与していることであろう。(元東京大学教授・酒井信彦)

 ■朝日新聞からの回答

 夕刊フジでは、前出の著書に記された国有地取得について、(1)築地と杉並の土地の「交換取引」は事実か(2)田中総理と広岡社長の間で話がまとまったとの記述は事実か(3)朝日と大蔵省の「交渉経緯は開示されていない」との記述はどうか-など、朝日新聞に質問状を送った。

 同社広報部は、(1)について「事実です。差額が発生しており、適正な対価を支払っています。この取引では、築地の土地に10年間の買戻特約がついており、登記簿にも記載されています」。

 (2)については「推測に基づいており、お答えできません」。(3)については「土地取得の経緯は、社史に記載しております。社史は1995年に一般販売しています」と文書で回答した。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう