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【ぴいぷる】作家・楠木新さん、転機は大学院の中吊り広告 第二の人生へ「50歳からの備え」提言 (1/3ページ)

 通勤客で混み合う地下鉄の車内。普段は気にかけていなかった中吊り広告が、第二の人生を切り開くきっかけとなった。

 大手生命保険会社で支社長などの役職を務めたが、47歳で体調を崩し、1年ほど休職。サラリーマンとしての生き方を見つめ直そうと、復職後に会社勤めから自営業などに転身した人々に会い、体験談を聞いてまわっていたところ、大学院の社会人入学を募集する中吊り広告が目に入った。

 「サラリーマンがインタビューをするのは違和感があるでしょ。怪しい物品販売の勧誘と間違われたこともあって、これはあかんなと。大学院のキャリア研究なら話を聞きやすいと思い、50歳で入学しました」

 仕事帰りに大阪市内のサテライトキャンパスに通学。休日も利用して会社勤めから大道芸人や落語家、社会保険労務士などに転身した人々をインタビューし、修士論文にまとめて2年でMBA(経営学修士)を取得した。

 「このインタビューがきっかけで朝日新聞から連載コラムの執筆依頼が来て、取材した人々を紹介したことが、本格的な執筆活動の始まりでした。MBA取得も評価され、定年後には大学講師の職にも繋がった。今となっては、あの中吊り広告をよう見つけたなと思いますね」

 人事や労務、経営企画などの部署を歩んできた経験を生かし、会社に在籍しながら組織の中での働き方などをテーマにした著書を多数執筆。ペンネームの「楠木新」は「人生で一番楽しい時期」を過ごした出身中学の名と、生まれ育った神戸市兵庫区の新開地の頭文字を拝借した。

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