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【識者に聞く 分裂2年 山口組】「盃」「状」の重み消え…揺らぐ組織の統率力 キャッチの縄張り争いなどが衝突の火種に (1/2ページ)

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 --暴力団社会は6代目山口組分裂からの2年をどう受け止めているのか

 「任侠山口組が結成されて、また一つ空気が変わった。神戸山口組は結成当初、10年もの間、6代目山口組の司忍(本名・篠田建市)組長と出身母体の弘道会(本部・名古屋市)による支配に耐えたと主張し、特に関西では判官びいきの目で見られていた。それが結成から1年8カ月で神戸山口組が任侠山口組と分裂したことで、改めて『正しいのは6代目ちゃうか』となってきた」

 --繰り返される分裂の影響は

 「ヤクザが親子や兄弟の縁を結ぶ『盃』や、暴力団社会からの追放を意味する絶縁などの処分を通知する『状』の重みがなくなってきた。これまではどんな大物でも状をまかれたら『ただの人』だったが、山口組で処分されたとしても、神戸山口組や任侠山口組に移籍できてしまう。これをされたら上の人間は統率が取りにくくなる」

 --他団体の対応は

 「とくに関東の組織はそうした現状を重く見ている。今年5月には千葉県松戸市で指定暴力団『稲川会』(本部・東京)を破門された元直系組長の乗る車が銃撃され、組員が重体となった。破門の理由は、友好団体の山口組から処分された神戸山口組との付き合いが理由だったとされ、稲川会があえて強い態度を示したとみられる」

 --任侠山口組は記者会見や雑誌のインタビューなど異例のメディア対応を取っている

 「任侠山口組の織田絆誠代表はインタビューで『脱反社会的勢力』を目標に掲げており、世論を意識しているのではないか。結成に至った経緯を末端の組員や他団体に伝える狙いもあったとみられる。織田代表がメディアに露出することで警察のマークが厳しくなり、他団体からターゲットにされにくくなる効果もあるのではないか」

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