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「告げ口外交」転換アピールの韓国、慰安婦問題を棚上げ状態に 友好ムードの陰で日本疑念 (1/2ページ)

 7日に行われた安倍晋三首相と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の初会談では「シャトル外交」の再開で一致するなど双方が友好ムードを演出した。ただ、文氏は一昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意の再交渉を訴えて大統領に当選しており、日本側は警戒を解いていない。

 「アンニョンハシムニカ!」

 安倍首相が韓国語であいさつすると出席者から笑い声が上がり、会談は和やかな雰囲気で始まった。両首脳が合意したシャトル外交再開は韓国側が求めたもので、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が就任後2年半にわたり安倍首相との会談に応じなかったのとは対照的だ。

 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威が増す中、首脳対話の機会が増える意義は小さくないが、対話が必ずしも問題解決につながるわけではない。最大の懸案は現在も慰安婦問題だ。

 一昨年末の日韓合意をめぐり、文政権は交渉過程を検証する作業部会を外務省に設置した。日本側が求める釜山(プサン)の日本総領事館前の慰安婦像が撤去される見通しは立っていない。文氏自身も6月下旬に「日本は公式に謝罪することが必須だ」などと発言した。

 韓国世論に押される形で、文氏が「本音」を前面に出し、問題を蒸し返して合意の再交渉を求める可能性は否定できない。文氏は7日の会談でも合意が韓国国民に受け入れられていないとした上で「過去の歴史による傷を適切に管理」することを求めた。北朝鮮との対話に前のめりな姿勢も日本には懸念材料だ。

 会談に同席した野上浩太郎官房副長官は「首相と文大統領との間で個人的な信頼関係を築くことができ、有意義な会談だった」と語った。だが、真に未来志向の関係を築けるかは今後の文氏にかかっている。(ハンブルク 原川貴郎)

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