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新国立の白紙撤回が火種? 前川前次官と和泉補佐官、浮かぶ対立 (1/2ページ)

 加計学園の獣医学部新設計画をめぐり、「総理のご意向」と記された文書に関する文部科学省と内閣府の調査結果の食い違いが表面化する中、文科省前事務次官、前川喜平氏(62)と内閣官房の首相補佐官との対立が象徴的に浮かび上がっている。原点には2年前の新国立競技場の白紙撤回騒動が影を落としているとの見方が少なくない。

 ◆「私が代わりに」否定

 「文科省として和泉(洋人)首相補佐官に『説明を行ったり、意見や質問を受けた』事実は確認できない」。文科省は和泉氏から昨年秋、獣医学部の早期開設の要望を受けたか-という野党議員からの質問に対し、政府は今月6日、冒頭の答弁書を閣議決定した。

 国土交通省出身で平成25年1月から補佐官を務めている和泉氏がにわかに注目されたきっかけは、前川氏が5月30日に出した報道向け文書。和泉氏は昨年秋に前川氏を執務室に呼び、獣医学部の早期開設を求める中で「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と主張したことだ。和泉氏は否定しており、真相はやぶの中だ。

 ◆「敗戦処理」余儀なく

 「新国立問題がくすぶっているのかもしれない」。2人の関係について文科省関係者は、27年7月、建設費の倍増に伴い白紙撤回された新国立競技場騒動の余波を指摘する。

 この騒動で文科省の担当局長が事実上更迭され、当時、文科審議官だった前川氏は整備計画経緯検証委員会の事務局長として報告書を取りまとめるなど“敗戦処理”を余儀なくされた。

 一方、内閣官房は整備計画の仕切り直しとして再検討推進室を設置。実質的に取り仕切る副室長には和泉氏らが起用された。

 「白紙撤回で整備計画の主導権は文科省から、和泉氏らが率いる国交省に移った」。文科省幹部はこう振り返る。

 5月25日の記者会見で政権批判を口にした前川氏は「(告発は)誰に恨みを持つようなものではない」としたが、同氏は産経新聞の取材を拒否しており、本音はうかがい知れない。

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