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「お前ら死刑。でもやっぱり許す」国民の心を操る金正恩氏のノウハウ (1/2ページ)

 韓国の政府系シンクタンク・統一研究院が今月8日に発表した「北朝鮮人権白書2017」(以下、人権白書)は、北朝鮮が金正恩体制になって以降も、自国民に対する深刻な人権侵害を続けている実態について述べている。

 北朝鮮の人権侵害の象徴とも言えるのが、あらゆる残虐な行為が行われている「地獄の一丁目」、政治犯収容所と、国民に権力への恐怖を植え付けるための公開処刑だろう。これらは金正恩党委員長の祖父・金日成主席の時代から、3代にわたって行われてきた。

 (参考記事:謎に包まれた北朝鮮「公開処刑」の実態…元執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」

 ただ、人権白書はその一方で、2016年に脱北者らを対象に行われた聞き取り調査では、「最近になり、公開処刑が減ったとの証言も得られた」と明かしている。

 たとえば、ある30代の男性は脱北する前、海外で北朝鮮の人権問題に注目が集まっているため、最近は公開処刑を行わず、「静かに殺す」との噂を聞いたという。また脱北前、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)に住んで際に人民班長(町内会長)をしていた40代の女性は、当局が人民班長たちを集めて行った会合で、韓国のスパイ行為や指導者批判などを行った者は秘密裏に処刑するケースが増えている、との話を聞かされたという。

 これと同様の話は、デイリーNKも入手している。正恩氏が秘密警察である国家保衛省に対し、公開処刑や拷問を止めよとの指示を出したというのだ。

 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

 事実だとすれば、その真意はどこにあるのか。正恩氏は国民に対する人権侵害を少しは反省しているのだろうか。もしそうなら、結構なことである。

デイリーNKジャパン
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