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「世界で一番でどうしようもない国」に位置とられ…パリ協定離脱はトランプ外交の失敗 (1/2ページ)

 トランプ米大統領は先月24日、バチカンでローマ法王と会談した際、パリ協定の残留を促されて、「あなたの言葉は忘れません」と語った。だが、その舌の根も乾かない今月1日、195カ国が署名したパリ協定を離脱した。地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定から世界第2位の温室効果ガス排出国である米国が抜けるのは、大きな打撃となる。

 トランプ氏はパリ協定離脱を選挙中から主張していた。この選挙キャンペーンの生みの親である右派ニュースサイトの元会長、スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問は、トランプ氏がホワイトハウスでパリ協定離脱表明した際、前方に陣取っていた。

 一方、「残留」を主張した長女のイヴァンカ・トランプ大統領補佐官、夫のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の姿はなかった。そのため、「バロン氏が復活した」とささやかれている。米国にとっては恐ろしいことだ。しかし不思議なことに米国の有権者、特に中西部の石炭や鉄鉱の労働者たちは「トランプ氏は約束を守る男だ」と応援している。

 ただ、いくらトランプ氏が「離脱する」と主張しても、一度署名した以上、3年間は離脱できない。その後の交渉にも1年かかる。つまり、次の大統領選挙で選ばれた人が離脱と関係してくることになる。今後、どちらに転ぶかわからない。

 トランプ氏は、しきりに再交渉を求めているが、これは米国に有利な条件を引き出そうという彼得意のディール(取引)だ。ドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領、イタリアのジェンティローニ首相の3首脳は、間髪おかずに「再交渉は不可能だと確信している」と発表した。

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